(提供:日刊不動産経済通信)東急不動産は、伊藤忠商事系の新電力、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京・千代田区)の株式の一部を取得したと発表した。初期投資なしで再生可能エネルギーの導入が可能な第三者所有型モデルの「オンサイトPPA(電力購入契約)」の手法に強みを持つアイ・グリッド社に資本参加し、再エネ発電所の開発力をさらに強める狙い。アイ・グリッド社は04年に設立され、資本金は65億3000万円(7月末時点)。
東急不動産は近年、再生可能エネルギー事業に重点投資している。6月末時点で太陽光、風力、バイオマスの各発電所を開発中の案件も含め全国で合計87件、展開中だ。FIT制度による固定価格買取期間が段階的に終わることを受け、非FIT事業の開発と取得や、建物の屋根などを活用した分散型屋根上太陽光発電事業に力を入れている。
現行の中期経営計画では21~25年度で再生可能エネルギー事業に約2400億円を投資する予定で、他社との提携や協業なども多い。昨年12月に「PPA方式」を看板に掲げるシン・エナジー(神戸市中央区)と資本・業務提携を交わした。太陽光やバイオマス、風力、地熱などの電源開発と小売りを手掛ける専業と組み、発電所の増設に弾みを付ける。一方、今年2月には東急不動産ホールディングスと東日本旅客鉄道(JR東日本)が包括業務提携を締結した。JRの遊休地に太陽光発電所や住宅・商業などの複合開発などを展開する。再エネ事業では両者で5年以内に全国5カ所の開発を目指す。共同事業の初弾として千葉の船橋に住宅や商業、再エネ発電などの街を作る。