(提供:日刊不動産経済通信)不動産経済研究所は8日、23年上期(1~6月)と22年1年間の「首都圏投資用マンション市場動向」を発表した。23年上期に供給された首都圏の投資用マンションは56物件・2820戸で、物件数は前年同期比33・3%減、戸数は23・3%減となった。1戸当たりの平均価格は1・7%下落の3182万円、㎡単価は121・3万円で前年同期と同値だった。
23年上期の供給エリア数は全27エリアで、前年同期から1エリア減少した。供給戸数のトップは横浜市南区の415戸で、以下は同中区312戸、同神奈川区185戸、東京・江東区181戸、川崎市中原区170戸と続いている。上位5エリアの合計は1263戸で、シェアは2・3㌽ダウンの44・8%。売主・事業主別では、FJネクストが522戸でトップ、次に東京日商エステム357戸、インヴァランス268戸、ヴェリタス・インベストメント187戸、プロパティエージェント186戸と続いており、上位5社のシェアは53・9%(前年同期56・7%)。
一方、22年に発売された投資用マンションは131物件・5961戸で、前年に比べ物件数は0・8%増、戸数は1・1%減となった。平均価格は3284万円で前年比4・9%の上昇、㎡単価も121・4万円で3・8%上昇している。平均価格、単価ともに2年ぶりの上昇。供給エリア数は全34エリアで、前年比では2エリア増加している。大田区が675戸でトップとなり、以下は江東区617戸、横浜市南区566戸、墨田区430戸、板橋区411戸の順。上位5エリアの合計は2699戸で、シェアは9・1㌽アップの45・3%であった。
売主・事業主別の供給トップ844戸を供給したFJネクストで、4年連続の首位。以下、シノケンハーモニー794戸、青山メインランド561戸、NST495戸、インヴァランス412戸と続き、上位5社のシェアは1・9㌽ダウンの52・1%だった。
首都圏の投資用マンション市場は、超低金利などを背景に90年代後半から00年代半ばにかけて供給戸数を伸ばし、07年には9210戸と初めて9000戸を突破。しかし、地価高騰やリーマンショックの影響などにより08年に7006戸と急減すると、10年には4583戸まで落ち込んだ。11年以降は5000戸台から7000戸台で推移しており、19年から22年は6000戸前後の供給が続いている。
今後の首都圏の投資用マンション市場は、東京23区内での厳しい用地取得競争が続いていることから、横浜市や川崎市などのシェアが一段と高くなることが見込まれる。
調査結果の詳細は、不動産経済研究所が今月下旬刊行予定の資料集『投資用マンション市場動向2023年版』に記載する。