(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所リアルエステートサービスは、企業の不動産ニーズに関する23年度第1四半期のアンケート調査結果をまとめた。企業の不動産について「建物老朽化」や「有効活用」といった点に課題感を示す回答が増加した。また、直近1年以内にオフィス移転の実施・検討を行ったという企業は27%だった。オフィス移転時の面積の意向を訊くと「増床」が半数で、出社回帰や業績向上による影響があったと分析している。
抱えている不動産の課題について尋ねると、回答は「不動産コストの削減(賃料・維持管理費等)」89件に続き、「老朽化対策」88件、「働き方改革実現のためのオフィス構築」84件が多く挙がった。従前の調査より「老朽化対策」や「BCP対策」の答えが増えた。不動産売却について、1年以内に実施または検討中の企業は全体の20%だった。理由は「遊休不動産の処分」が最も多く、各社はバランスシートの改善に努めていることがうかがえる。1年以内の不動産の購入の実施または検討中の企業は全体の30%。理由として「本業の収益補完」が最も多く、「生産能力拡大・向上」「余剰資金の活用」などが続いた。
1年以内のオフィス移転実施か検討中の企業は27%だった。業種別では、「情報通信業」の割合が最多だった。「卸売業、小売業」の割合は上昇した。面積の動向として「大幅な増床」30%、「増床」20%で半数が増床意向となった。「変わらない」は20%で、以前の調査から答えが少なくなった。「やや減少」が16%、「大幅な減少」が14%で、割合に変化がなかった。
調査はメルマガを購読する顧客に5月22日~6月2日にインターネットで行い、274件の回答を得た。