今年年以降、完成を予定しているタワーマンション(地上20階建て以上)は全国で300棟超・11万戸あることがわかった。不動産経済研究所の調べによると、今年以降、完成予定の全国タワマンは321棟、うち首都圏が194棟と60%を占め、近畿圏は43棟(13%)、その他、福岡県と愛知県が各12棟、広島県7棟、北海道と宮城県が各5棟だった。
1990年代後半以降に超高層マンションの建設・計画が増加したのは、中古となっても 値崩れが起き難く、換金性に優れている超高層マンションが人気を呼び、その高い人気 ぶりが首都圏、近畿圏といった大都市圏から地方中核都市にまで波及していったことに よるもので、いずれも規制緩和による駅前再開発の進捗が大きく影響していた。
しかし、2007年以降の価格高騰によるマンション販売の低迷、2008年9月のリーマン ショックによって、マンション供給計画の規模の縮小が相次いだ。エンドユーザーから の人気が高かった超高層マンションも例外ではなく、多くの物件で事業の縮小が余儀なくされた結果、超高層マンションの竣工は3万5,000戸を突破した2009年(3万5,607戸) から一転、2010年には1万戸台(1万7,967戸)に減少した。そして2011年は、東日本大震 災の影響で東北・関東地方などで一部の物件に竣工の遅れなどが生じ、4,646戸減の1万 3,321戸と更に落ち込んだ。
減少基調に変化が訪れたのは2012年で1万6,060戸に増加すると、2013年には再び湾岸部などで大規模物件が竣工して1万8,022戸と更に伸ばし、2015年には2009年以来の高水 準となる1万8,821戸に達した。しかし2016年に34棟・1万2,104戸と減少すると、2017年1 万1,373戸、2018年1万5戸と減少が続いた。2019年に1万7,039戸と増加に転じると、2020 年は1万1,991戸、2021年は1万3,966戸と、1万戸以上を維持。2022年はコロナ禍での工期 遅延などの影響もあって8,244戸と落ち込んだものの、2023年は遅れて完成した物件など も重なり1万4,037戸にまで伸ばしている。
2024年に完成する超高層マンションは、2023年から完成がズレ込んだ物件などがある ため、1万5,000戸台と増加が続く。その後も東京都心部や湾岸エリアだけでなく、地方 中核都市でも大規模タワーや複合再開発プロジェクトなどが数多く控えていることから、2025年は1万4,000戸ほど、2026年は2万5,000戸ほどの住戸が完成する見込みである。
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