(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所がフレキシブルオフィス事業で全国展開に乗り出す。貸会議室大手ティーケーピー(TKP)傘下の日本リージャスホールディングスを子会社化する方針を6日に表明。三菱地所は東京・丸の内で2030年までに現行の3倍となる約3万坪のフレキシブルオフィスを設ける目標だが、全国に店舗網を張り巡らせる日本リージャスを取り込み一気に出店先を広げる。株式譲渡価額は約381億円を軸に確定させる。
日本リージャスは世界120カ国以上で展開するIWGグループ(スイス)の日本事業。19年にTKPが日本での施設運営・開発権を取得した。ビルオーナーとの共同事業ないし業務受託を中心に店舗を増やし、日本では6月末時点で47都市に172拠点を構える。
三菱地所はリージャスの全株を23年2月1日に取得。国内の店舗を引き継ぐとともに、TKPに代わりIWGの独占的パートナーとして日本での施設運営・開発権を取得する。自社ビルにもリージャスの店舗を組み入れて付加価値を高める計画で、三菱地所は「TKPグループとも共創関係を強化する」としている。
リージャスは価格帯に幅のある複数のブランドを使い分けている。今年3月に六本木ヒルズ森タワーに最上位ブランドの「シグネチャー」を出した。今年6月時点で、2035年までに国内280都市に1000拠点を出店する目標を持っていた。リージャスの株式譲渡に伴いTKPは6日、23年2月期の連結業績予想を修正した。売上高は前回予想に比べ2・9%減の495億円、営業利益は55%増の31億円、当期純損失は19億円減の15億円などと変更。連結子会社の台湾リージャスをIWGに譲渡する方針も併せて表明した。
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