ビットキーは、顔認証機能やスマートロックなどのデバイスと、SaaSにより既存のセキュリティシステムとシームレスに連動を図る「workhub(ワークハブ)」を、東京メトロ銀座線・京橋駅直結の大規模テナントビル「東京スクエアガーデン 」(東京・中央)の共用部及び東京スクエアガーデン9階のビットキー本社オフィスに導入し、記者団に公開した。
「workhub(ワークハブ)」はオフィスビルにおけるSaaSプラットフォーム。既存のソリューションシステムを活かし、スマートロックによるNFCカードリーダー、自動ドアなどと連携し、シームレスな連動を実現する。加えてゲストを非対面で案内するデジタル受付や、顔認証ソリューションを具備する。職場の各エリアのアクセスコントロール、ログ管理、カメラやIoTセンサを使った分析も可能。テナントのワークスペースのみならず、「既存のビルを丸ごとDX」化することができる。
ビットキーの江尻社長は「ワークハブを用いれば、オフィスビルのシステムは共用部から専有部まで一気通貫で繋げることができる。新築ビルならば最新システムを導入することは容易だが、既存ビルの場合は改築に高額なコストが掛かる。設計や工事は長い期間を要する。そしてたくさんのSaaSを組み合わせないといけない。例えばワークスペースの予約にはA社のアプリ、空間への入室はB社のスマートロック‥などとやっていけば、その分アプリやツールが増えて使いにくくなる。その点、ワークハブを入れれば、既存のシステムを全てコネクトして、検索・入室・利用が全て横串でできる。「分断されたDX」から線になって繋がっていく。これがニューノーマルな働き方に繋がる」と述べた。
今回、専有部のソリューションについては、ビル9階に本社を置くビットキーのオフィスにのみ導入している。ただしワークハブは、他フロアテナントにもスピーディに展開できる仕組みだ。既存のセキュリティシステムと連動させて、顔認証機能等で専有部やテレワークスペース(オカムラのテレキューブ)、会議室にもアクセスが可能である他、顔認証機能等を他の支店にも導入することで複数拠点でも利用可能。「スポットでDXした場合、例えば『エントランスの自動ドアに顔認証を入れました』というのはよくある。でもそうなったはいいが専用部へのアクセスはカードで、他のビルだとさらに別のカードを使う、となると使いにくい。ゲストの招待もゲスト登録は専用のシステムしかダメで、入館・入室のシステムとは非連動だったりする。その点、ワークハブを導入したスクエアガーデンでは、普段使われるツール、例えばSlackなどで来訪者登録ができるし、それだけで共用部受付から専有部への入室まで連動する」(江尻社長)とメリットを強調する。