(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所がインドでオフィスの開発に乗り出した。キャピタランドグループ傘下の投資運用会社が手掛ける2棟総延べ面積24万㎡の「ビジネスパーク開発事業」への投資を決めた。総事業費は約350億円で三菱地所の事業持ち分は50%。2棟のうち1棟は今秋に竣工し、もう1棟は24年末以降に竣工する予定だ。インド第4の都市で成長の伸びしろも大きいチェンナイで事業を軌道に乗せ、別の都市にも進出したい考えだ。
案件名は「インターナショナルテックパーク・チェンナイ、ラジアルロード」。敷地面積5・25ha。IT企業が集まる大通りに2棟のオフィスビルを建てる。20年2月に着工した。ビルは2棟とも地上11階地下3階建て。大規模なフードコートや運動施設、医療センター、スパ、コワーキングなど多様な施設を整備する。同国で初のネット・ゼロビル認証(設計段階)を取得した。二期棟ではWELL認証のゴールドを取る予定。照明の8割弱を自然採光で賄う。施工はL&W。
同社によるとインドのグレードAオフィスのテナント需要はコロナ禍以前のレベルに回復しているという。多国籍企業がインドに拠点を構える傾向が続いており、今後も旺盛な需要が期待できるとしている。
三菱地所は19年にインドネシアとベトナム、20年にタイに現地法人を作った。米国や英国、豪州でもオフィスビルの開発や投資などを手掛け、アジアでは中国上海市で大規模なオフィスの開発を始めている。ただ中島篤社長は7月、本紙などとの共同インタビューで海外事業の方針について「中国で投資を増やしていくのは政治体制の問題などで難しい。欧州と、日本以外のアジアをどこまで伸ばせるかだ」と話していた。