三井不ら、神宮外苑再開発で住民説明会―初日約150人参加、開発への期待感も

(提供:日刊不動産経済通信)東京・神宮外苑地区の再開発事業に参画する三井不動産や明治神宮ら4者は17日夜、近隣住民向けの説明会を都内で開いた。参加者からは高層ビルの建設と樹木伐採の必要性を問う意見や、ビルの風害と新野球場の騒音を懸念する声が挙がった一方で、事業に周辺住民の意見を反映するようにといった、大規模開発への期待と注文もあった。説明会は18、19両日も行われ、参加対象者は合計1万3000人。17日は収容数350人の会場に約150人が足を運んだ。

 三井不動産らは計画段階の20年から21年にかけて、都の条例などに基づき合計3回の説明会を開いた。今年2月に都の施行認可が下り、3月に既存解体に着手したが、SNS上などで事業への反対が根強いことから、再開発では異例となる任意の説明機会を作った。

 17日の会合で三井不の担当者は、樹木保護の観点で野球場棟のセットバックなども視野に入れ、いちょう並木など歴史的景観を残しつつ植栽や広場を増やす方針を説明。スポーツ施設の更新やビル建設などといった都心一等地の高度利用で内苑と外苑の維持費を賄う事業スキームの意義を説いた。文化遺産保護団体から現地改築案も出ていた野球場の扱いについては、施工中も試合を継続する必要がある上、現在地では工事に必要なスペースを確保できないなどの理由で移転改築が妥当との認識を強調した。計画地で9月以降に高さ3m以上の樹木の伐採を始めることも表明した。

 騒音と風害の問題は、綿密な予測調査や運用上の工夫などで軽減を図るとした。現場に近い外苑前駅の混雑緩和策では東京メトロと協議し、出入り口のあり方などを検討する。地下通路のバリアフリー化など開発地一帯の回遊性を高める工夫を凝らす方針も示した。

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