(提供 日刊不動産経済通信)住友不動産とダイキン工業は23日、オフィスビルなどで使用する空調設備の脱炭素化に向けた包括連携協定を締結した。ビルのエネルギー使用量の半分近くは空調設備が占めており、両社は高効率な空調機器の導入や適切な利用、冷媒の再生利用など、多岐にわたって連携し、脱炭素・循環型社会の実現に貢献していく考えだ。
連携の第1弾として、空調冷媒を回収して再生利用に取り組む。冷媒は室内機と室外機の間に充填されている熱を媒介するガスを指す。冷媒は、空調の使用時に次いで二酸化炭素排出量への影響が大きく、廃棄時には適切な管理も求められる。現状としては、業務用冷凍空調機器の廃棄時などに回収された冷媒は破壊処理(代替フロンなどの無害化工程)されることが多いという。
住友不動産は、自社で運営するオフィスビルの空調機器から回収される冷媒を、ダイキングループをはじめとした各取引先と協力して、全量の再生利用を行い、冷媒製造で生じるCO2排出量を削減する。今後、冷媒供給が不足することも懸念されており、回収冷媒の再生量を増やすことは冷媒の安定供給にもつながるとしている。 再生利用では、油などの不純物が混ざった冷媒の不純物を取り除き、成分の調整を行った上で再利用可能な冷媒製品にする。両社は回収冷媒の100%再生利用を皮切りに、住友不動産のビルに採用する空調機器の冷媒をすべて再生由来に切り替えることや、空調設備の省エネ効果の検証・運用最適化などの協業を検討していく。