(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所はAirbnb(エアビーアンドビー)の日本法人と居住や宿泊・観光、就労などを切り口とする共同事業に乗り出す。協業第1弾として東京・池袋に賃貸借と日割りの宿泊を併用するレジデンス「(仮称)豊島区池袋4丁目計画」を開発し運営する。18日に着工し、25年に稼働する予定だ。渋谷など都内の繁華街や全国の観光地で同種の賃貸住宅を開発するほか、住宅のデジタル化や他拠点居住、ワーケーションなど両社の知見を掛け合わせた事業機会を模索する。
両社は昨年12月に包括連携協定を交わし、相乗効果を発揮できる事業の枠組みを検討していた。連携項目に▽ポストコロナの新たなまちづくり▽まちの魅力のデジタル化を通じた海外発信の強化▽地域社会の課題解決と持続可能な成長モデルの検証─を挙げている。三菱地所は協業を通じ、「まちの交流を促進し、国内外の多様な人材を惹きつける仕組みを共同で生み出す」としている。
池袋の物件は三菱地所が開発し、同社子会社のHmlet Japanが運営する。施設は数十戸程度の小規模なものになる見込み。Airbnbが宿泊予約の受け付けなどを手掛ける。
三菱地所は仕事と観光を組み合わせた「ワーケーション」の普及に本腰を入れている。19年以降に和歌山の南紀白浜や軽井沢、熱海のリゾート施設などに専用オフィスを開設した。今年3月には北海道、長崎県との間でワーケーション推進を目的とする連携協定を締結。主に東京の「大丸有」エリアから道内の各所に送客する体制を整えた。協定に基づき、地域活性化や街づくりなどソフト主体の事業創造を目指す。