不動産売買の電子契約・書面電子化 解禁前夜ルポ③ 不動産売買の現場は大きく変化 デジタルガレージ(下)

不動産売買の電子契約・書面電子化 解禁前夜ルポ② デジタルガレージ(上)より続く

ー事業者が仲介版を導入するにあたり具体的に何を決めてどう動けばいいか

執行氏 まずは電子契約に対応するという全社的な検討と意思決定。まずそこを決めてこれまでの紙ベースだった業務フローを電子契約に落とし込んだ場合の設計が必要だ。

ー新築版との違いは

執行氏 新築版では、契約書作成をある程度オートメーションでできる。顧客情報を管理するシステムが各社あるが、そことムスベルを結びつけられる。仲介は新築のようにデータを自動連携できる機能はないが、今後新たなサービスの提供を予定している。

 そして新築の場合はマンション1棟単位で管理する仕組みだが、仲介は業務に合わせて担当者単位の管理というようにしている。電子サインについても、不動産販売は営業が契約締結まで担当するため、不動産の契約業務に合わせた作りにしている。実際に野村不動産ソリューションズ様に適宜確認しながら仲介版を作り上げた。現在の声では普段行っている業務にフィットしているという点が評価されていると思う。

ー電子サインの機能はクラウドサイン にした 

執行氏 電子サインの機能は業界でもトップクラスのシェア率を誇るクラウドサインと連携している。不動産販売において電子契約を利用する際にスムーズに行う業務管理と連携した電子契約サービスとなる。クラウドサインを提供する弁護士ドットコムは、かつてデジタルガレージが投資していたこともありサービス開発に向けては連携して取り組んだ。

ー売買で今後求められてくる機能なんだと思うか

執行氏 DXは不動産業界では共通の課題と考えている。目まぐるしく変化が起こる環境の中で事業を成長させていくには新たなサービスや技術を積極的に取り入れて新しい強みに変化をさせることが重要となる。ムスベルでは何か顧客にメリットを生むようなサービスや技術があれば、連携も積極的に検討していきたいと思っている。

ーこれまでの実績について

執行氏 新築については既に数十社が導入準備を行っている。仲介は9月末にリリースし野村不動産ソリューションズが導入を開始する。仲介の反響は、企業の規模別で言えば大手・中堅・中小と幅広くいただいている。中小事業者はITリテラシーが高い企業の検討が多いという印象だ。 

ー導入コストは

執行氏 初期費用とは別に月額数万円。その月額にプラスで電子契約を行う送信費用を徴収する。送信のコストは数百円ほどだ。

 ー不動産の電子契約はどれだけ普及するだろうか


執行氏 不動産は未だに属人的な業務も多い、また紙での業務も多いがそれらを解決するデジタルサービスの導入はここ数年で徐々に増加している。一方でコロナによる接客方法の変化や業務効率化も求められておりデジタル化どこまで目指せるかだ。重説もオンライン、契約書も全てデータのやり取りだけでやれれば、不動産売買の形はだいぶ変わると思う。顧客も近年増加している非居住者という視点で見れば仲介に限らず新築でも使えるだろう。新築マンションの方では、ある大手企業がインバウンドへの電子販売を視野に入れて動いているところもある。不動産の電子契約は来年の宅建業法の改正に向けて多くの企業での導入検討が進むと考えている。ムスベルは既存のサービスとの連携も積極的に検討をして電子契約を活用した業務効率化、DX推進に貢献をしたいと考えている。

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