森トラストは、20年12月時点の「東京23区の大規模オフィスビル供給調査」を発表した。今年以降は供給の波が大きいが、21~25年の平均供給量でみると低水準で推移すると分析している。
供給量は21年が61万㎡、22年が51万㎡、23年が145万㎡、24年が54万㎡、25年が134万㎡。平均すると年89万㎡で、過去20年間の平均供給量(116万㎡)を2割強下回る。供給エリアはどの年も都心3区が8割前後を占める。エリア別にみると、5年間の総供給量に占める割合は虎ノ門・新橋が20%(91万㎡)で最も多く、八重洲・日本橋・京橋が17%(74万㎡)、白金高輪が11%(47万㎡)、芝・三田が8%(34万㎡)、赤坂・六本木が6%(27万㎡)と続く。
開発用地別で分析すると、今後5年間に都心3区で供給されるオフィスは、63%が「低・未利用地(再開発等)」、37%が「建て替え」だった。過去5年間(16~20年)の割合はほぼ逆で、「建て替え」が69%、「低・未利用地(再開発等)」が31%だった。中規模ビル(5000㎡以上1万㎡未満)の供給動向も調査。21年の供給量は6・9万㎡、22年は10・6万㎡で、過去10年間の平均(11・3万㎡)を下回る。一方、事業主体別にみると、大手デベロッパーの割合は過去5年間では30%だったが、今後5年間では50%に大きく増える。
調査の総括として「好調だった新築オフィスビルの需要は新型コロナの影響を受け、急速に停滞感が高まることとなった」と指摘。オフィスデベロッパーには「ワークプレイス戦略の中心に位置付けられるセンターオフィスの在り方を提示し、これを体現するオフィス環境を整備する」必要性を強調した。(日刊不動産経済通信)
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