(提供:日刊不動産経済通信)大和ハウス工業は、賃貸住宅事業の今後の方針を明らかにした。従来の軽量鉄骨造やRC造の商品群に加え、重量鉄骨造商品(3~4階建て)を開発中であることが分かった。24年中の販売開始を目指す。
22年度の全国賃貸住宅の確認申請(延床面積)の総数に対する同社申請数のシェア率は13・1%。中国エリアでは18・2%、北関東・甲信エリアでは16・3%など地方都市で高いシェアを獲得する。同社ではシェア率の比較的低い1都3県(11・5%)の数字を伸ばす考え。これまで地方に偏っていた人員体制を整備。また都市部向け商品「GRACA(グラサ)」(3階建て)の販売を強化する。出倉和人・取締役常務執行役員集合住宅事業本部長は「将来的には1都3県のシェア率を15%まで引き上げたい」と語る。
開発事業では投資需要の増加を背景に、国内・海外で大型案件の開発を進める。国内は22年度で12棟・1142世帯が竣工・稼働中。23年度以降の物件では7棟・1154世帯が契約済み。一方、海外では豪州で同社初の賃貸住宅開発プロジェクト「メルボルン クォーター ウェスト プロジェクト」(45階建て・総戸数797戸)に着工した。人口増加が著しいビクトリア州メルボルン中心部に建つ。26年3月の竣工を予定している。
集合住宅セグメントの23年度上期実績(海外含む)は売上高6092億円、営業利益601億円と前年同期比で増収増益。23年度通期計画(同)は売上高1兆2200億円、営業利益1170億円を計画。第7次中期経営計画最終年度の26年度計画(同)では売上高1兆2500億円、営業利益1200億円を目指す。