(提供:日刊不動産経済通信)森トラストは「東京23区の大規模オフィスビル供給量調査(22年12月時点)」の結果を6月30日に発表した。昨年の大規模ビルの供給量は49万㎡と過去20年間の最少値を更新したが、23年は130万㎡、25年は141万㎡と急増を見込む。ただ、24年は69万㎡、26年は66万㎡、27年は74万㎡などと大きく減る見通しで、向こう5年間の年平均供給量は過去20年の平均よりも15万㎡少ない96万㎡にとどまると展望している。
1986年以降に23区で竣工した事務所面積1万㎡超のビルの需給を継続的に調べている。最新の調査結果では、23区の大規模ビルの向こう5年の平均供給量が6期連続で過去20年の平均を下回ったことから、「23区の大規模ビルの供給量は抑制傾向にある」と分析している。供給状況をエリア別にみると、23年を起点として過去5年と今後5年のシェアは都心3区がいずれも全体の7割を超えるなど都心集中の傾向が続く。一方、供給が多い区は変化している。具体的には、千代田区のシェアは過去5年の32%が今後5年は4%に減り、代わって港区のシェアが25%から57%に拡大し首位に浮上する。地域別では過去5年は「大手町・丸の内・有楽町」が134万㎡で首位だが、今後5年の最多供給は「虎ノ門・新橋」(89万㎡)になる。
新築大規模ビルの稼働率と内定率を竣工年次でみると、22年は8割、23年は5割、24年は3割と底堅い。開発用地別に供給を分析すると、都心3区では既存ビルの「建替え」が過去5年の8割に対し今後5年は4割に減るなど、開発用地の主体が「低・未利用地(再開発等)」に移行しつつある。都心3区以外では13年から27年まで一貫して「低・未利用地(再開発等)」が6~8割程度を占めている。