オフィス変更「決定済み」1割に留まる―森ビル調査、新規賃借予定は例年並み

 森ビルは、東京23区に本社を置く大企業など1727社が回答した「2020年東京23区オフィスニーズに関する調査」を発表した。新規賃借の予定がある企業は24%で、昨年調査の27%は下回ったが、過去平均(21%)とほぼ同水準だった。業種別ではIT企業は34%と特に多かった。今回はコロナ禍に関する質問も実施。コロナ禍収束後の出社率について6割の企業が「80%以上」と予想している。
 調査は10~11月に実施した。今後のオフィス変更に関する検討状況を聞いたところ、「方針決定済み」は11%、「方針検討中」が14%、「特段検討していない」が53%を占めた。多くの企業が情勢を注視しているとみられる。また、新規賃借予定があると回答した企業のうち、面積を縮小する予定と、拡大する予定の企業数は均衡していた。
 新規賃借の理由をみると、「賃料の安いビルに移りたい」が最も多かった。一方、IT業界に絞ると1位の理由は「立地の良いビルに移りたい」、2位が「設備グレードの高いビルに移りたい」だった。金融業界も同様の傾向がみられた。全体としても立地や耐震性、設備グレード、セキュリティなどのグレードアップを求める企業は増えている傾向もあった。希望エリアは1位が日本橋、2位が虎ノ門、3位が同ポイントで新橋、神田・お茶の水、丸の内、大手町と並んだ。
 在宅勤務の導入済み企業は73%で、昨年の28%から大きく増えた。フリーアドレスやオープンなミーティングスペースを導入した企業も増加した。コロナ禍収束後の個人デスクの数を聞いたところ、約8割の企業が従業員数の「80%以上」と回答し、「ほぼ同数」も67%に上った。(日刊不動産経済通信)

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