価格4年連続上昇、契約率は堅調維持
今年上半期(1~6月)の発売は8373戸で、コロナ禍で記録的な低水準となった前年同期(5299戸)と比べると58.0%の増加となったものの、6年連続で1万戸を下回った。上半期の平均初月契約率は73.0%で、前年同期(70.5%)比2.5ポイント(P)のアップ。好不調を分ける70%ラインを11年連続で上回り、売れ行きは依然好調である。
エリア別の発売戸数と契約率は、大阪市部2963戸、81.1%(前年同期比22.5%増、4.8Pアップ)、大阪府下1925戸、68.7%(同97.0%増、2.5Pアップ)、神戸市部1149戸、63.1%(同105.5%増、5.2Pダウン)、兵庫県下1187戸、63.3%(同145.2%増、4.0Pアップ)、京都市部690戸、76.8%(同230.1%増、16.5Pアップ)、京都府下87戸、70.1%(前年供給なし)、奈良県51戸、58.8%(同80.1%減、20.9Pダウン)、滋賀県280戸、93.6%(同3.3%増、27.2Pアップ)、和歌山県41戸、65.9%(同67.2%減、15.5Pアップ)となっている。発売戸数は奈良県、和歌山県以外の全エリアが増加したが、大阪市部は伸びが小さく、2019年上半期の8割未満の水準にとどまっている。これは大阪市部のタワーや大規模物件の多くが秋商戦での発売予定であるため、年間では2019年並みの水準に回復する見込み。
平均価格は4360万円で、前年同期(4027万円)比333万円(8.3%)の上昇。㎡単価は73.3万円で、同(68.0万円)比5.3万円(7.8%)の上昇となっている。平均価格、㎡単価ともに4年連続の上昇で、平均価格は1992年(4813万円)以来、㎡単価は1973年の調査開始以来最高値を示した。
これは依然土地価格と建設工事費が上昇基調であることが主因である。神戸市部の単価大幅上昇については、後述の高単価タワーマンションが発売開始を迎えたことが大きい。
神戸三宮、希少立地の『ベイシティタワーズ神戸WEST』
上半期に初回売り出しを迎えた注目物件は、『ベイシティタワーズ神戸WEST1~2期(158戸、平均坪単価380万円)』(神戸市中央区、住友不動産他1社、27階建、総戸数346戸)は神戸市が施行した条例で「都心機能誘導地区」に定めた区域内にあり、容積率の上限緩和が撤廃され、今後はタワーマンションが開発されにくい希少立地である。『リバーガーデン上町一丁目1期(50戸、同294万円)』(大阪市中央区、リバー産業、20階建て、総戸数93戸)は1期50戸が即日完売した。
その他の注目物件には『プレミストタワー靭本町1期1~4次(159戸、同388万円)』(大阪市西区、大和ハウス工業、36階建て、総戸数350戸)、『クラッシィハウス尼崎GRAND PLACE1期1次~2期5次(228戸、同239万円)』(兵庫県尼崎市、住友商事他1社、総戸数456戸)などが挙げられる。
近畿圏マンション ㎡単価は1973年の調査開始以来最高値(下)へ続く
2021/8/4 不動産経済Focus &Research