<政府・技能実習生受入再開へ>アフター・コロナ時代の労働力市場をどうみるか②  GTN
GTN・後藤社長

<政府・技能実習生受入再開へ>アフター・コロナ時代の労働力市場をどうみるか1より続く

ー外国人技能実習制度の現状は


後藤氏 技能実習制度は様々な批判がありながら存続している。労働者よりも一部の受け入れ企業・送り出し機関が利益を享受する仕組みになっているのが問題だ。ベトナムの場合は、国の決まりでは手数料は3600ドル。現地の斡旋業者の中にはそれを超えて多く取っているところもある。
例えば日本へ~金利は40%と相当高い場合もある。技能実習制度では転職が認められていないため、労働環境を変えたり、キャリアアップができない仕組みだ。給料は12万円くらいでさらに天引きされる。家は用意されているが、抱えた借金は3年とかでは返せないケースも多い。受け入れ業者の70%以上に何らかの違法性があることが、政府発表の数値でわかっている。まともに法令遵守ができてない受け入れ状態で、転職ができないからパワハラ・セクハラが横行している。

ーその状態を変えるために特定技能制度がスタートした


後藤氏 19年にスタートした制度で国内に今3万人いる。技能実習生からの切り替えがほとんどだ。政府目標は24年までに34万6000人だ。元々は技能実習の卒業生たちを特定技能で受け入れていいよというところからスタートしていて、これまで技能実習制度で最大の実績のある中国がこの制度に反応しなかった。中国は特定技能で送らないと。技能実習制度の悪評が高いことから、中国は送り出し国にはならなかった。ベトナムについては、エコシステムで儲けている人がいて、制度の内容について批判があり、交渉に時間を要した。フィリピンとは19年12月に協定を結んだが、さあそこからスタートしようとしたものの、出だしからつまずいた。コロナが発生したためだ。技能実習と異なり、特定技能制度だと転職ができるし、採用を考える企業が直接、もしくは登録支援機関を通して正社員として雇用ができる。いずれは多くが技能実習から特定技能へ切り替わっていくだろうがまだ時間がかかる。日本のビザで一番多いのがまさに技能実習制度のビザで40万人に達している。雇用者は安価な労働力として確保できると考えており技能実習制度が一番都合がいいからだ。

ー特定技能の職種は


後藤氏 今までの技能実習の職種である建築、水産加工などのほか、新業種として飲食、宿泊、介護が加わった。だがコロナで飲食と宿泊の二つが不要になってしまった。介護が残っているがそれがコロナで来られなかった。こうした状況であるため、特定技能制度の評価は今すべきではない。今後技能実習の規模は抑えられて特定へ行くだろう。技能実習と特定技能のビザを合体するという意見もある。双方の制度は維持されるのではないか。34万6000人の政府目標は後ずれするだろうが。それとは別に「2号」では本国の家族を呼べるので「高度人材」と同じ立ち位置になる。

ー不動産市場への影響をどう見るか


後藤氏 技能実習制度だと家賃帯が低くなる傾向。10000円を切るケースもある。賃料をおさえ、企業が借り上げるので家賃保証という概念がない。特定技能制度の場合だと日本人同様に一般賃貸ニーズが生まれ(部屋を借りる人が増え)る。だが特定技能制度の場合であれば不動産ニーズが生まれる。特定技能だと転職することができる。労働環境については10項目の義務的支援措置がある。それは日本語を教えるとか、生活相談環境の整備などに加えて、「住環境の改善」が求められている。他の国、例えば韓国では住環境整備の状況について国が直接チェックする仕組みが導入されている。不合格とされれば罰則が課される。日本では国の介入ができないが。特定技能であれば日本人と同等、もしくはそれ以上の給与水準のため自分で住まいを選ぶことができる。当社も登録支援機関として生活サポート業務を行なっている。

 GTNでは、GTN Assistants for Biz という外国人社員の日本での生活環境の向上と雇用企業の業務効率化を支援するクラウドサービスを提供している。GTN生活相談専門アプリを利用し、いつでもどこでも気軽に相談が可能。受け入れ態勢を確立することで外国人社員の従業員満足度の向上、定着にもつながると考えている。

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