大和ハウス工業は、21年度の用地取得情勢や販売状況などを踏まえた地価動向に関する説明会を開催し、首都圏の分譲マンション事業は今後も供給が不足気味で推移し、価格は下落しないとの見解を示した。富裕層やDINKSが中心となる旺盛な投資ニーズや実需と、用地不足と取得価格の上昇に伴う供給不足から需給が均衡しているとみる。
東京・調布市で販売準備中のコンパクトマンション「プレミスト調布クロス」(65戸)は参考坪単価約350万円と周辺相場より高めの設定だが、発売後は早く販売が進むと見込む。コロナ禍がもたらした価値観や生活様式の変化により、神奈川県藤沢市で販売中の「プレミスト湘南辻堂」(914戸)の購入層には、以前は少なかった横浜や東京からの引き合いが増えた。契約率も高く、モデルルーム来場者の2~3人に1人は購入している。用地仕入れでは、相場より2割ほど高い落札価格も出始めているという。
首都圏の戸建て分譲住宅は、一等地は1億円超えが相場となっている中で、3階建ての建売は即完に近い状況で完売するなど旺盛な需要が続く。一方、北関東地域(群馬・栃木)は昨年以降、低価格帯のパワービルダーらに押されて低調が続く。低価格帯の建売との差別化のため、ZEH比率の向上による高付加価値化など、戦略的な取り組みを検討している。ローン減税など購入支援策の期限切れに伴う駆け込み需要は、現時点では見えない。今後ある程度生じるとみるが、大きな規模にはならず、その後の反動減もないと予想。
このほか物流施設は、マルチテナント型、特定企業向けのBTS型ともに旺盛な需要が続き、マルチ型は100%近い水準で竣工までに入居が決まっている。(日刊不動産経済通信)
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