星野リゾートとリサ・パートナーズは国内宿泊事業者の経営再建や事業継承を後押しするファンド「星野リゾート観光活性化投資事業有限責任組合」を10月30日に組成し、総額50億円で運用を始めた。年内にも支援先を決める。LP(リミテッドパートナー)投資家として、リサ社のほか三井住友ファイナンス&リースと三菱UFJ銀行、大和ライフネクストが出資している。星野リゾートは機関投資家らに追加出資を募り、20年度内に運用資産を100億円程度に増やす。将来的に200億円規模に拡大する計画だ。
コロナ禍で苦境に立つ国内のホテルや温泉旅館などのうち、星野リゾートの事業方針に合う施設の運営を資金的、技術的に支援する狙い。ファンドの運用は星野リゾートとリサ社が折半出資で5月に立ち上げたH&Rアセットソリューションズが担当する。
星野リゾートは業績が悪化したホテルなどに出資し、付加価値を付けて運営を軌道に乗せる再生ファンドの手法で事業を拡大してきた。ゴールドマン・サックスとともに複数の地方旅館を再生した実績がある。17年には日本政策投資銀行(DBJ)ともホテル再生を目的とするファンドを組成。今年6月にはWBFホテル&リゾーツの再建支援を表明し、事業スキームを検討中だ。
国内外で45施設を運営している。国内では高級価格帯の「星のや」(写真)、温泉旅館の「界」、リゾートホテルの「リゾナーレ」、都市滞在型ホテル「OMO」「BEB」を展開。新たなファンドでは、既存ブランドの客層や価格帯とは異なる施設の運営支援も視野に入れている。
2020/11/02 日刊不動産経済通信