小田急電鉄は、26年度までの新たな経営ビジョン「UPDATE小田急」を策定した。小田急線沿線や事業を展開する地域の人々に、体験や環境負荷低減をはじめとした新しい価値を提供し、地域に創造する企業への変革を目指す。新宿と海老名の再開発を進めるほか、下北沢に続くエリア型開発の展開や、不動産運営の効率化を進め、スマートシティ事業など新しいまちづくりにも取り組む方針。
ビジョンでは、開業100周年の27年に向け、既存の事業モデルを更新し、不確実性の高い時代に適合する地域価値創造型企業へのアップデートを行う。前半3カ年は体質変革期として、鉄道をはじめ各事業で運営体制の効率化を推進し、ホテル小田急の希望退職や不動産売却を実施する予定。後半3カ年を飛躍期として、事業創造や拡大を目指す。地域に提供する新たな価値としては、外出意欲を高める機会創出や、まちづくりとも連動してMaaSを通じたシームレスな移動や駅スペースをはじめ鉄道資産の有効活用を進める。
まちづくりでは、都心部の新宿エリアで、「新宿西口再開発」に加え、新宿中央公園の指定管理者として活動を開始するなどハード・ソフト両面でのエリア活性化を進める。郊外の海老名エリアでは、投資額約322億円の「ビナ・ガーデンズ」開発計画で、マンション、商業、ウェルネス施設、オフィスなどを開発し、25年度末の全体竣工後は年間約23億円の賃料収入を得る。今後はスマートシティ事業にも取り組み、海老名駅周辺を対象に、来訪者の行動変容を促す「次世代AI都市シミュレーター」の研究開発を行う。加えて、13の施設を開発する下北沢エリアに続くエリア型開発の展開も、複数の候補地で検討を進めている。(日刊不動産経済通信)
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