「心理的瑕疵ガイドライン」(案)をどう見るか③ R65代表 山本遼(上)
山本遼・R65代表


国土交通省から事故物件に関する、宅建業者が売買や賃貸の契約者に告知する対象についてのガイドライン案(心理的瑕疵ガイドライン案)について、「住宅弱者」とされる高齢者の入居支援に取り組むプレーヤーはどう考えているのか。心理的瑕疵ガイドライン(案)に加え、6月に国交省が示した、単身高齢者向けの残地物処理契約のモデル契約条項に対する考え方・評価と、民間における見守りサービスの動きについて、R65代表の山本遼氏に話を聞いた。

ー心理的瑕疵ガイドライン(案)について。死因別、売買・賃貸の別で告知の範囲、期間などが示された。自然死は告知しないとある。

山本氏 今まで告知の範囲が明確には定まっていなかった。自然死(孤独死)というものが心理的瑕疵の告知の義務の対象外になったということは、大きな意義がある。業界全体がこういう方向で動けば、これまで入居が躊躇われていた高齢者の民間賃貸住宅に入居しやすくなると思う。

ー孤独死で告知対象義務から外れても、特殊清掃が入った場合は告知対象になりそうだ

山本氏 自然死でも物件に対する汚損について、例外規定が設けられている。孤独死で長期間発見されなかったら、自殺や他殺と同じように、告知対象になる。定義としては決して明確ではないが、現状だとそれでもだいぶ進んだかなと思う。逆にこうした規定がなければ、反発も大きいのではないかと思う。

ー長期という定義はやや曖昧な印象を受ける

山本氏 全宅連が昨年決定した心理的瑕疵のガイドラインでは、周囲からのクレームが来たときとか、遺体が腐っていた場合だとか、そういう内容が含まれている。遺体の発見時の状態については書かれてあるが、期間について言及はない。こうした事はガイドラインでは定義できないと思う。例えば夏場でもクーラーが付いていたり、冬場に暖房がついていた場合など、温度や湿度によって遺体の腐敗の進行具合が変わる。だから死後何日とかは定義できないと思う。あくまで長期としか書けないと思うし、それで問題はないと思う。

ー賃貸と売買を分けることについて齟齬はないか。売買の場合に比べて、賃貸は3年経過すれば告知対象から外れるなど、緩めの規定だ。

山本氏 住まいとしての性質か、投資としての性質かの違いで考えるべきだ。売買の場合は生涯、商品価値として続くわけなので重要かな思う。額も大きいし、告知の存在は重要だ。住まいとして考えるのであれば、これを当たり前にしていかないといけない。一方で投資という観点であればどうだろうか。少子高齢化で、民間賃貸住宅はこれから高齢者を積極的に入れていかなければいけないし、入居者が亡くなった後の物件は塩漬けになることも考えられる。これから本格的に「家で亡くなる時代」と見据えると、そのことを事故扱いしないことは大事になってくる。そして早期発見も大事な点だ。ガイドラインでは自然死が起きた場合に発見まで長期化させないという考え方が示されている。

「心理的瑕疵ガイドライン」(案)をどう見るか④ R65代表 山本遼(下)へ続く

最新情報はTwitterにて!
おすすめの記事
こちらもおすすめ