木造分譲住宅協、設立1年で会員数拡大 木材不足で加入増、近く東北で初の植樹

 (提供日刊不動産経済通信)三栄建築設計とオープンハウス、ケイアイスター不動産の3社が昨春設立した日本木造分譲住宅協会の陣容が拡大している。木材の価格上昇や調達難などを受け新規加入の問い合わせが急増。賛助会員の数は21社になった。銀行を含む5社の加入も内定しており、30社超えも近い。今月9、10の両日には青森と秋田で協会として初の植樹を行う予定だ。
 三栄ら3社が初めて手を組み昨年4月に同協会を立ち上げた。戸建て分譲や住宅設備の製造などを手掛けるメーカーらで国産材の調達合理化と活用拡大の取り組みを進めている。事務局の菊谷憲太郎氏(三栄建築設計経営企画本部)は「国産材の調達と植樹が活動の二本柱だが、将来的に加工・製材工場を持ちたい」との構想を描く。中部や関西にも木材製品を供給するパイプを作り、現地企業を巻き込みながら全国組織を目指す。地域企業の領分を侵すのではなく共存共栄を模索しつつ、いずれは原木の伐採も手掛けられるようにしたいという。
 協会設立から1年余りだが存在感は増してきた。昨年12月にはヒノキヤグループやヤマダホームズら、5月にはLIXILらが賛助会員となり、大手ハウスメーカーも無視できない勢力になりつつある。会員会社の従業員総数は約9万人だが「延べ50万人になれば業界での発言力が増す」(菊谷氏)と将来を見据える。
 ロシアの軍事侵攻などの余波で「ウッドショック」が長引く。特に中小工務店の生産に支障が出ている。木材不足もあり新規加入は正会員の関連企業を優先してきたが、中小の工務店にも門戸を開いている。

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