(提供:日刊不動産経済通信)ヒューリックが首都圏の国道16号線内側で物流施設の開発攻勢を掛けている。24年の組成を目指す物流特化型リートへの売却を視野に入れ、東京など1都3県で延床面積数千~1万坪の中規模施設を相次ぎ建てている。昨年5月に東京の葛西、今月上旬には千葉県野田市に各1棟が竣工。26年までに同県柏市や野田市(2期棟)、神奈川県相模原市、埼玉県三郷市などに順次立ち上がる。人口集積地に小型倉庫を増やし、残業規制でドライバー不足が懸念される「24年問題」にも対応する。物流リートの資産規模は運用開始時点で400億円程度を想定する。
ヒューリックは13年に公募リート、17年に私募リートを組成。運用資産総額は22年末時点で約5400億円になった。全アセットに占めるオフィスの比率を50%に下げ、代わりに物流施設を増やす方針だ。今月竣工した「ヒューリックロジスティクス野田Ⅰ」は「葛西」に続く第2弾。常磐道の柏インターチェンジから6・2㎞の立地で施設規模は4階建て延べ1万坪強。25年には近接地に2期棟も完成する。12月には柏市の施設も竣工し、24年以降に4棟を計画している。
成田国際空港北西側に、国際航空貨物に対応する大型物流施設を開発する事業も動く。県道18号線沿いの約45haの開発用地を取得した。6棟構成で検疫施設も作る。総投資額は約1000億円。29年3月に同空港のC滑走路が完成するのに合わせて稼働させる。
物流リートのほか、都心の自社開発ビルを組み入れるためのコアファンドも近く作る。当初の資産規模は700億~800億円程度を想定。銀座など東京都心に計画するビルを売却する受け皿にする。