一五不動産情報サービスは東京と関西における賃貸物流施設の市場動向(調査期間21年5~7月)を公表した。東京圏の空室率は前期(2~4月)比0・8㌽増の1・3%と上昇。コロナ感染が広がる以前の20年1月以来、約1年半ぶりに1%台に乗った。ただ需給はなおひっ迫基調で、坪当たりの募集賃料は70円増の4470円と昨年4月から4400円台だ。一方、関西圏の空室率は0・4㌽増の1・9%。前期に5年ぶりに2%を下回ったが再浮上してきた。
東京圏では期中に三井不動産や小田急不動産、日本GLP、ラサール不動産投資顧問らが合計15棟を竣工させ、それらのうち10棟が満室で稼働した。今後の開発計画も目白押しだ。現時点で分かっているものだけで三菱商事都市開発やプロロジス、大和ハウス工業、野村不動産、日本GLPら大手による合計19棟の案件が動く。事前リーシングは概ね順調だが、開発件数が多い埼玉の一部地域などで成約が遅いという。一五不動産は「コロナ禍の特需が一巡し、物流賃貸市場が徐々に正常化してきた」と指摘している。
関西圏では期中に53・2万㎡の新規供給があった。これは08年7月の調査開始以来2番目の規模だという。一方、新たな床需要も47・2万㎡と旺盛で、空室率の上昇はわずかだった。賃料は40円増の4040円。関西圏では期中に10棟が竣工し、そのうち7棟が竣工時点で満室になった。センターポイント・ディベロップメントや三菱商事都市開発らによる合計10件の開発計画が進行中だ。関西圏でも竣工前のリーシングや施設稼働が概ね順調で、「安定した需給環境が続く見通し」(一五不動産)という。(日刊不動産経済通信)
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