(提供:日刊不動産経済通信)全国の空き家の増加抑制に向けた団体「全国空き家対策コンソーシアム」が設立された。不動産ポータルサイト運営や不動産仲介、土地活用など空き家に関連する事業を営む企業に加え、銀行、大学も含めた幅広い11団体が参画。代表理事のクラッソーネの川口哲平CEOは、「空き家に関する情報の流動化と、ワンストップで対応する仕組みで、将来的に万単位の空き家発生の抑制を目指す」と抱負を語る。
空き家に関する情報提供の活発化に加えて、利活用、除却や管理も含めた多くのソリューション提供で、空き家課題の解決に取り組む。今年度は会員の知見を持ち寄ったウェブセミナーを開催して、空き家所有者の啓発を行う。その後、消費者・自治体もつなぐワンストップの空き家のソリューション提供や、会員拡大も進める。理事はクラッソーネに加えて、アットホーム、不動産相続のオンライン手続きを提供するAGE technologies(エイジテクノロジーズ)、大和ハウスパーキング、LIFULL、リノベーション戸建てを販売するリノバンクの5社が務める。会員として、東京大学不動産イノベーション研究センター(CREI)、野村不動産ソリューションズ、みずほ不動産販売、三菱UFJ銀行、LIXILが参加。
川口氏によると、「ここ数年で、空き家の解消を目的とする解体が40%を超えた」という。LIFULLの井上高志社長は、「仮に、全国で500万戸と推計している未流通の空き家を投資により再生して流通できれば、30兆円規模の市場が見込める」と意気込む。アットホームの鶴森康史社長は、「自治体、不動産会社、消費者の3者を情報でつないで空き家解消に取り組む」と語った。