ワンルーム業界の倫理意識向上へ自ら襟を正す「交流を重視」都中協・鶴巻会長が方針
首都圏中高層住宅協会(都中協)・鶴巻通雄会長

 「法に触れなければ何をしても良いわけではない。自ら襟を正し、誇りを持って働ける業界にする」―。ワンルームマンションの有力事業者らで構成する首都圏中高層住宅協会(都中協)の第3代会長に9月1日付でエスティア(東京・港区)の鶴巻通雄社長が就任した。鶴巻会長は本紙の単独取材に応じ、「利益至上主義では会社は続かない。業界の規律を正し、末長く経営を続けられる環境を作る」と表明。高い倫理意識を持って業務に当たる姿を社会に示すことで、業界の地位向上と健全な発展を目指す考えを強調した。

 今年で創立25周年という節目に、前任の肥田幸春会長からバトンを受け継いだ。会員数は賛助会員を含め36社で50歳~60歳代の会員が多いという。鶴巻会長は「年長者と若い会員の橋渡しをしながら、究極の親睦団体を目指す」と抱負を語る。同時に「規律や倫理などの価値観は会社ごとに違う」とも述べ、一方的に正義を押し付けるのではなく、話し合いを通じて既存の会則と倫理憲章を時代に合う形に変える考えを説く。

エスティア 鶴巻社長

 コロナ禍で投資意欲が高まっているせいもあり、東京23区のワンルームマンション市場は盛況だ。一方、都内の賃貸住宅は数万戸単位で供給過剰が続く。業界の経営環境は厳しさを増し、仕入れや販売の競争は過熱する一方だ。収益を追い求めるあまり、限りなく違法に近い営業活動に手を染める業者も残念ながらいる。だからこそ、首都圏で5~6割のシェアを持つ都中協会員の存在意義が増す。会員が自ら範を示すことで、モラルを軽んじる悪しき風潮を戒める役割を果たせる。鶴巻会長は「今のように競争が激しい状況だからこそ、最低限のルールが必要だ」と力を込める。(日刊不動産経済通信

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