賃貸マンション市場で個人投資家の存在感高まる―三菱UFJ信託、取得時の利回り3%台

(提供:日刊不動産経済通信)三菱UFJ信託銀行は、一棟賃貸マンションの取得市場で、富裕層の個人投資家等が存在感を高めている背景をレポートにまとめた。3%台を中心に機関投資家よりも低い利回り水準を許容し、無理のない賃料水準を設定して早期の満室を重視する場合も多いことから、不動産投資マーケットで厚みをもたらして、買主としての存在感の高まりがみられるとした。

 三菱UFJ信託銀行が仲介した一棟賃貸マンションの18年度から22年度までの5年間のデータによると、個人投資家等が取得した築20年以内の物件の平均利回りは、東京都心7区(千代田区、中央区、新宿区、港区、渋谷区、目黒区、品川区)が3・5%、周辺部が3・8%だった。都心7区では2%台という低い利回りの物件取得もあった。個人投資家等の投資目的が、保有資産の維持と次世代への承継にある場合が多いため、長期的に投資対象として人気の高いエリアを選好していると分析する。加えて、機関投資家からみるとデメリットにもなり得る新築物件の取引が、個人投資家等には多いことも特徴。物件価格は都心7区で5億円前後~20億円超、周辺部では5億円前後~10億円に集中しているという。一方で、利回りや築年数、収益の安定性などの観点で違いがあり、ファンドと個人の投資家が競合する事例は多くないようだ。

 最近のトレンドとして、不動産会社が個人オーナー向けの賃貸マンション開発に注力する動きを挙げた。デザイナーを用いて外観や共用部分の意匠を凝らす企画も特徴的だとしている。条件の良い物件では竣工前の売却も珍しくなく、高い賃料水準より早期の満室を重視するケースや信頼できる管理会社への管理委託を希望するオーナーも多いという。

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