(提供:日刊不動産経済通信)ケネディクス、野村證券など4社はこのほど、東京・中央区の賃貸マンションを投資対象とし、公募分の発行額が国内最大の134億円に達する不動産セキュリティー・トークン(STO)の募集を、1~2週間で完了した。ケネディクスが7日に報道向け勉強会を本社で開き、最新のSTO市況や自社の動向などと共に言及した。
STの名称は「ケネディクス・リアルティ・トークン 月島-リバーシティ21 イーストタワーズⅡ(譲渡制限付)」。投資対象は東京メトロ有楽町線など2線の月島駅徒歩約8分の立地の「リバーシティ21 イーストタワーズⅡ」(総戸数642戸)の準共有持分の75%。6月時点の鑑定価格は300億円。稼働率は95・5%。約10年運用した後、受益権を売却する。1口100万円。取り扱い会社は野村證券、レンダーはみずほ銀行、アセット・マネージャーはケネディクス・インベストメント・パートナーズ。国内の不動産STOはケネディクスが携わった8件を含めて20件あるが、発行額・物件評価額ともに最大だ。
7日の勉強会では中尾彰宏・執行役員デジタル・セキュリタイゼーション部長が登壇。中尾氏によると21年8月に1号STOを発行して以来、マンションや物流施設、ホテルなど投資対象物件の多角化を進めている。同社が携わるSTOは1口価格が100万円で、購入者も高所得の個人が多い点が特徴。今後は新たな投資対象物件として、同社が取得しファンドで運用しているIoT搭載戸建て賃貸「コレット」も検討する方向だ。このほか投資家向けの新たな情報開示プラットフォームも構築し、発信力を高めたい考えだ。