(提供:日刊不動産経済通信)シービーアールイー(CBRE)は、日本のレンダーによる23年度の各アセットの資金調達環境の見通しをまとめた。4月20日~5月19日に調査「CBREレンダーサーベイ」を実施し、不動産ノンリコースローンのレンダー28社から回答を得た。最も魅力的なアセットとして「ホテル」がシニアレンダーからは21%(22年4月調査0%)、メザニンレンダーから11%(9%)の支持を得た。18年の調査開始から初めてシニアレンダーからホテルの回答があった。
最も魅力的な融資対象として「物流施設」を回答した割合は、シニアレンダー16%(36%)、メザニンレンダー44%(64%)にそれぞれ減少した。昨年の調査では物流施設を魅力的とした一部のレンダーも、今回は賃貸マンションやホテルを選択しており、金利スプレッドの縮小と賃貸市場の変化が影響したとみている。物流施設の新規供給が増加することで、需給バランスが緩む傾向にあり、融資対象としての魅力が他のアセットより低下したと捉えている。
レンダーの融資姿勢は、「賃貸マンション」に対しても条件が緩和した模様だ。収益の安定性を重視するレンダーから賃貸マンションへの評価が高いとみられ、前回の調査結果よりLTV(平均値)が上昇し、スプレッド(平均値)は低下した。
一方、一部のレンダーから不動産投資への融資について「昨年度の融資額より減少する」との回答が、シニアレンダーとメザニンレンダーそれぞれで増加し、約20%となった。レンダー間の競争の激しさで融資拡大が難しいという声や、取引価格が高止まりした環境下では、金利上昇のリスクを懸念する声があった。
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