日本不動産研究所は、「2021年の不動産市場~新型コロナ禍の不動産市場」の調査結果をまとめた。新型コロナ禍が不動産投資市場に及ぼした影響と今後の動向について、「現在、ネガティブな影響を受けており、この状態が当面は続く」とする回答が37%を占めた。昨年秋以降の新型コロナの感染再拡大に係る一連の動きを踏まえた各社の不動産投資スタンスを聞いたところ、「投資姿勢に変化がない」が最も多く約9割を占め、その理由は、「エクイティ投資家の投資姿勢に変化がない」こと、「景気の変動は限定的であるから」とする回答が多数を占めた。


 同調査は第44回「不動産投資家調査」の特別アンケートとして実施され、アセット・マネージャー、アレンジャー、デベロッパー、生保、レンダー、投資銀行、年金基金など189社にアンケートし、133社から回答を得た。2021年4月1日時点。新型コロナ感染拡大直前の2020年2月頃と比べて、現在の不動産投資市場をどのように認識しているのか聞いたところ、「ネガティブな影響が1年前後続く」が37.7%と最も多く、次いで「影響が2~3年程度続く」が22.3%と両者で全体の6割を占めた。一方、「影響から脱しつつある」も19.2%で、昨年10月調査比5ポイント上昇している。
 新型コロナが、現在に至るまで各アセットに与えた影響については、「ネガティブな影響がかなりあった」アセットは、ビジネスホテル(96.9%)、シティホテル(96.8%)、都心型商業施設(75.8%)で、前回調査よりいずれも増加している。「ネガティブな影響があった」は、オフィス(75.2%)、外国人向け高級賃貸レジ(55.0%)、郊外型商業施設(54.0%)。「影響はあまりなかった」は、ワンルーム・ファミリーレジ(68.0%)、ヘルスケア(64.1%)、「影響はまったく無かった」は物流施設(78.4%)が突出した。昨秋以降の投資スタンスは「特段の変化はない」が86.9%で大宗を占めた。
コロナ禍を契機として、住宅に対する人々の選好変化の可能性も聞いており、「間取りの充実を求める」がトップ。次いで「ワークライフバランスを実現できる郊外」、「郊外・駅近」、「一部屋当たりの広さを求める」が続いた。 
 新型コロナが収束したと仮定した場合の各アセットの見通しを聞いたところ、「いち早く反転回復」は物流施設(97.2%)、底地(73.8%)、ファミリーレジ(71.4%)、「反転回復まで1年程度」が外国人向け高級賃貸レジ(46.8%)、都心型商業施設(40.8%)、シティホテル(39.8%)と続いた。「長期間を要する」はビジネスホテルとシティホテルで、それぞれ32.5%だった。

2021/7/5 不動産経済ファンドレビュー

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