ザイマックス不動産総合研究所は、コロナ禍に伴うオフィスへの出社人数の減少を踏まえ、適正なオフィス面積の新たな計算方法を例示するレポートをまとめた。「出社率」のほか、「席余裕率」や「1席当たりオフィス面積」という指標を用いる。今年4月時点で調べた700社超のケースに当てはめた場合、「席余裕率」の中央値は185%で、コロナ収束後の意向だと120%だった。
「席余裕率」とは、出社するワーカー1人に対する席数の割合。さらに従来使っていた「1人当たりオフィス面積」ではなく、「1席当たりオフィス面積」を用いて、オフィス面積を計算する。具体的には「在籍人数×出社率×席余裕率」で席数を出し、席数に「1席当たりオフィス面積」を乗じる。
今年4月時点で企業が回答した賃借面積とオフィス内の席数から算出した「1席当たりオフィス面積」の中央値は2・86坪で、2~4坪の間が過半数を占めた。コロナ収束後の意向出社率を踏まえた「席余裕率」を細かくみると、90~130%未満に約5割の企業が集まっていた。同レポートでは「現状と比べて席数を効率化していく方向性であることがわかった」とした。ただ、「出社率を100%近くまで戻す企業が一定数いる」とも指摘した。
今後の方向性として「面積縮小」「面積縮小せず、場合によっては拡張する」の二通りが考えられるとし、面積縮小の場合でも「郊外に働ける場所(サテライトオフィスなど)を整備することで、働く場所を分散させようと考える企業が多いため、ワークプレイスが純減するわけではない」とした。(日刊不動産経済通信)
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