広さ重視で60㎡超の中古マンションが市場から減 東京カンテイ、中古M坪単価は2百万円台に

東京カンテイの21年のマンションデータ白書によると、首都圏の中古マンション流通市場の専有面積別のシェアで60㎡台以上が占める割合が縮小した。コロナ禍で家に広さを求める傾向が強まり、専有面積の広い物件が売りに出されなくなったことを要因とする。

 中古マンション流通市場の専有面積別のシェアは、20年まではわずかずつながらも広めの面積帯が拡大し、とくに30㎡未満の住戸のシェアは20年には前年比2・5㌽減り11・9%となり、縮小していた。21年はこの傾向が一転し、30㎡未満が3・0㌽増え14・9%、30㎡以上50㎡未満が2・0㌽増の16・2%、50㎡台が0・3㌽増の15・4%、60㎡台が0・8㌽減の19・7%、70㎡台が1・6㌽減の19・6%、80㎡以上100㎡未満が2・2㌽減の10・8%と、広めの面積帯のシェアが縮小した。

東京カンテイの高橋雅之・主任研究員は「在宅勤務の機会が増えて広めの物件は人気のため、手放して売りに出すことが減っている」と説明した。

 30㎡未満のワンルームなども含めた中古マンションの一戸当たりの売り出し時平均価格は3715万円で、前年から6・5%と大幅に上昇した。14年から8年連続の上昇となる。新築マンションの価格がコロナ禍も下がらなかったことに加え戸数も減少したことで、中古マンションが購入ニーズの受け皿となったとしている。中古マンションの平均専有面積は58・94㎡で前年から4・9%縮小し、5年ぶりに60㎡を下回った。中古マンションの平均坪単価は12・0%上昇の208・4万円。200万円台の大台に乗るのは、90年代初頭のバブル期より後では初となる。(日刊不動産経済通信

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