ーコロナ再燃で1月以降の見通しは慎重な見方も
ハウスメーカー7社の戸建て注文住宅の昨年12月の受注は、住宅ローン減税の終了などに伴い低調が続いていた状況から、盛り返した。12月半ばに来年度税制大綱の概要が定まり報道などでも大きく取り上げられたことで、ローン減税の期限切れ以降しばらく様子をみていた購入検討者の一部が、いち早く購入計画を進めたとみられる。
各社の前年同月比は金額ベースで、積水ハウス1%減、大和ハウス工業49%減、積水化学工業住宅カンパニー(棟数ベース)5%増、住友林業1%増、旭化成ホームズ13%減、パナソニックホームズ27%増、ヒノキヤグループ15%増と斑模様だが、プラスに転じた企業があるなど反転の動きがある。12月の受注の目安となる10、11月の資料請求件数や展示場来場者数が前年同月を下回る傾向が強かったため、購入検討者の多くは22年から動き始めるとの事前予測が主流だったが、予想より市場環境は上向いた。
住友林業は19年同月比で34%増、ZEH比率も過去最高となった。ヒノキヤグループは金額・棟数ともに単月で過去最高の業績を達成した。「新生活に合わせて4月入居に間に合うように動いた人も一定数いたのではないか」(パナソニックホームズ)との見方もある。12月の展示場来場と資料請求は微減から微増で推移した企業が多く、大きな変化はなかった。
ローン減税制度の延長など国の各種住宅取得支援策が住宅購入を後押しする傾向は今年1月以降により強くなってくるとみられるが、「コロナによる社会不安も増しているため1月以降の見通しは立てにくい」(パナホームなど)との慎重な見方が広がっている。(日刊不動産経済通信)