三大都市圏でオフィス空室率横ばいに

―ビル総研、都心は年後半に空室率再上昇

 オフィスビル総合研究所(今関豊和代表)が6日に公表した大都市圏における21年12月末時点の賃貸オフィス需給動向で、東京など三大都市圏と福岡市の空室率が揃って横ばいになった。東京都心ではコロナ禍で空室率が上がり続けていたが、昨年後半以降に新規供給が減ったことなどで需給が均衡した。都心5区の空室率は前月比0・05㌽増の4・33%と4カ月連続で4%台になり、空室率の先行指標となる潜在空室率も7・44%と6カ月連続で7%台半ばにとどまった。  

 東京を除く大都市の空室率は、大阪が前月と同率の3・69%(潜在空室率は0・01㌽減の5・16%)、名古屋が0・09㌽減の4・4%(0・02㌽減7・0%)、福岡が0・11㌽減の3・6%(0・05㌽減5・4%)。各都市で空室率、潜在空室率が軒並み微減ないし横ばいになった。東京都心では22年前半までオフィスビルの新規供給が少ないが、年後半以降に大型ビルが相次ぎ竣工する。このため同研究所の今関代表は「大量の二次空室が発生し、空室率と潜在空室率が上昇に向かう可能性が高い」と予想。都心の需給見通しについて「足元のリーシングは活発だが、企業の移転理由は縮小や統合が中心だ。出社率の低下に伴いオフィス戦略を見直す傾向が幅広い業種に広がる可能性がある」と展望している。

 同社が昨年8月に公表した都心5区における向こう3年間のオフィス需給予測では、空室率は22年の第2四半期(2Q)に4・8%まで高まるとしている。その後、12万坪超の床が供給される見通しの23年1Qに空室率は5・2%で天井を打ち、24年2Qに4・4%まで下がると展望している。(日刊不動産経済通信

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