国のマンション管理適正化推進基本方針<br>分譲会社への役割明記、適正管理と再生の連続性を提起<br>管理適正化推進計画は地域の実情踏まえた目標設定求める
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 国土交通省は「マンションの新制度の施行に関する検討会」の第3回会合を開き、改正マンション管理適正化法で位置づけた管理適正化の推進を図るための基本方針の概要案をまとめた。マンションの分譲会社に分譲時の適切な管理規約や長期修繕計画案の作成などを役割として明記したほか、適切な管理と再生が連続して検討されるよう促す項目も設定した。今後は会合での意見も踏まえて省内で調整し、年度末に成案化する。

 基本方針は改正管理適正化法で国が策定するよう規定されたもので、この基本方針をもとに自治体は独自のマンション施策を方向付けるマンション管理適正化推進計画や管理計画認定制度を作成する。また、基本方針の中にマンション管理適正化指針も位置付ける。今回の会合では基本方針に盛り込む7つの項目とその内容を提示した。
 7項目は▽マンションの管理の適正化の推進に関する基本的な事項(管理組合や国などの役割)、▽管理適正化に関する目標設定に関する事項、▽マンション管理適正化指針に関する事項、▽高経年化が進んだ場合の建替えなどに向けた区分所有者等の合意形成の促進に関する事項、▽管理適正化に関する啓発や知識の普及に関する基本的な事項、▽マンション管理適正化推進計画の策定に関する基本的な事項、▽その他管理適正化の推進に関する重要事項――となっている。
 このうち管理組合や国などの役割の中では、分譲会社の役割も明記した。管理組合の立ち上げ時やその後の運営の円滑化に向け、分譲時の適切な管理規約や長期修繕計画案の作成を求めると記載する。長期にわたり適正な管理が行われる上では、分譲当初の段階での管理への意識付けも重要になると判断し、基本方針に役割を明記することで分譲会社への意識付けを狙う。このほか、区分所有者には修繕の必要性の認識や組合運営への積極的な参加を求め、自治体には実態把握を踏まえた管理適正化推進計画の策定や地域特性などを踏まえた計画的な施策実行を求める。マンション管理士や管理会社には自治体との施策の協力などを役割に挙げた。国は標準管理規約やガイドラインの策定・見直し、事例収集や情報提供を担う。
 建替えなどに向けた合意形成の促進に関する事項では、「管理組合は区分所有者の連絡先を把握し、必要に応じて外部専門家を活用しつつ適切に集会を開いて検討を重ね、長期修繕計画において建替え等の時期を明記しておくことなどが重要である」と記載。適正な管理の先に建替えや再生が連続していることを意識付けし、長期的な視野の中に建替えや再生も入れながら適正な管理を検討してもらうことを促す。修繕や耐震改修だけでは安全性の悪化や周辺への悪影響が避けられないことがある点や、マンション建替円滑化法の改正により敷地売却事業の対象拡大や敷地分割制度の創設などを盛り込んだ点も紹介する。
 管理適正化計画の策定に関する事項では、策定に当たって考慮すべき点を整理している。自治体の状況に応じた達成すべき目標を定め、フォローアップを含めて実行することを求めたほか、目標を設定する上で登記情報や実態調査などで地域の実情を把握することを示した。また、施策を展開し管理組合を支援する上で、マンション管理士などの外部専門家の派遣や管理組合向けセミナーの開催、自治体と専門家、関係団体などで構成する協議会の設置などによる方法を例示した。
 一方、管理適正化指針は、自治体が管理組合に助言・指導を行う際の目安と、管理計画認定制度の認定基準を新たに盛り込む点が改正の柱となる。このほかの記載は現行の指針を踏襲する。
このほかの事項には、修繕などが適切に行われないマンションへの建築基準法に基づく改善命令を講じる点が記載されたほか、設計コンサルタントの業務の適正化、管理のICT化推進などが打ち出された。

2020/10/1 マンションタイムズ

マンションタイムズ

最新情報はTwitterにて!
おすすめの記事
こちらもおすすめ