ザイマックス不動産総合研究所は、早稲田大学建築学科の石田航星研究室と共同で、中小規模ビルのオーナーを対象としたアンケート調査を実施した。今後1年間の業況については好転も悪化もしないと考えるオーナーが約7割を占めた。一方、今後3年程度の短期的見通しや、5年以上の中期的見通しに関しては悲観派が3割超、楽観派が2割前後と悲観派の方が多かった。
回答したのは売上高30億円未満で、主な事業として賃貸事務所業を手掛ける1072社。今年6~8月に調査を実施した。調査対象は東京23区と政令市、首都圏の郊外主要都市。賃貸ビル事業の業況について尋ねたところ、1年前から現在までは「良い」との回答が26%、「悪い」が17%、「さほど良くない(さほど良くならない)」が57%を占めた。今後1年間については「良くなる」が17%、「悪くなる」が16%、「さほど良くならない」が67%で、大きな変化はなかったとしている。
今後の見通しについて短期的(今後3年程度)には、「楽観している」が3%、「やや楽観している」が19%、「どちらともいえない」が42%、「やや悲観している」が29%、「悲観している」が6%と、合計で35%が悲観派、21%が楽観派と分かれた。中長期的(5~10年後)見通しではこの傾向がさらに強まる結果となり、悲観派は計38%、楽観派は計18%だった。 調査は15年から継続して実施しており、今回が6回目。ビルオーナーの属性は60歳以上が66%、ビルの保有棟数は1~2棟が60%超、延床面積1000坪未満が約70%、築年数は22年以上が約80%だった。(日刊不動産経済通信)