政府は二地域居住を全国的に推進する。地方自治体、関係団体、民間企業ら607団体で構成される「全国二地域居住等促進協議会(仮称)」が、3月上旬に設立されることが分かった。会長には長野県の阿部守一・知事が就く。二地域居住に関わる国土交通省、内閣官房・内閣府、総務省、農林水産省が協力し、二地域居住を国民的運動とすべく取り組む。
新型コロナウイルスの流行が契機となって、働き方や住まい方に大きな変化が起き、地方移住への関心が高まっている。二地域居住は、東京一極集中の是正や地方創生に大きな効果が期待されている。協議会で二地域居住を進めるための様々な施策や事例などの情報交換を行い、国民に発信することで、二地域居住を全国的に盛り上げていくのが狙い。二地域居住を進めるために解決すべき課題の対応策も協議する。
二地域居住を重視する赤羽一嘉・国土交通大臣の強い意向で、20年秋から協議会構想が動き出した。正会員は地方自治体、協力会員は移住支援機関や不動産関係団体などで構成。学識経験者が顧問として加わる。1月25日時点で、都道府県35団体、市区町村559団体の地方自治体594団体と、協力会員13団体の合計607団体が参加を希望している。不動産業界からは不動産協会、不動産流通経営協会、全国宅地建物取引業協会連合会などが参加。引き続き案内していく方針で、今後も参加団体は増える見通し。会費無料。
3月上旬に設立総会と設立記念シンポジウムをオンラインで開催する。有識者の基調講演やリレートークなどを行う予定。協議会の運営事務局は国交省の国土政策局地方振興課が務める。(日刊不動産経済通信)