ヒノキヤグループは、埼玉県蓮田市に開業した全館空調システム「Z空調」の体感施設「ZOOON(ゾーン)埼玉」で、真夏を想定した新たな仕様による運用を始めた。完全予約制の運営で全体の稼働率は約7割、土日はほぼ100%と集客も良く、「住宅購入の成約率向上にも貢献している」(同社)とし、今後の訴求の上でも活用に力を入れていく。
同施設(蓮田市西新宿6-55)は2階建てで、1階の大部分を体感ゾーンに充てている。内部は、Z空調を搭載したヒノキヤグループ戸建て住宅の一角を再現した参考モデルと、ZEH住宅の参考モデルを設置。真夏仕様(外気温42度)では、エアコンをかけたZEHモデルの居室と洗面室で最大7~8度の温度差が生じたほか、居室内でも窓や床下の温度が高かった。Z空調仕様は全体の温度が安定した。体感棟は「ZOOON栃木」に続く2施設目で、今後も増やす方針。
Z空調は、同社とダイキン工業、協立エアテックが共同開発し、16年12月の販売開始から21年6月末までに累計1万6000棟を販売した。戸建て住宅での搭載率は約98%に達するほか、Z空調単体でも販売している。邸内の上部から床下まで、順次空気を循環させていく構造の第一種換気の一種。電気代は各部屋でエアコンを運用する場合とほぼ同様(参考)で、全邸の温度を快適に保つ。
販売開始以来改良を重ね、9月からは各吹き出し口ごとに風量を手動で6段階調整できる機能を追加し、吹き出し口の色も従前の白一色から、黒、グレーを加えた3色に増やした。新構造により居住者の快適性と利便性が増したほか、ダクトの削減も可能になって設計の自由度が向上し、施工の手間も減った。(日刊不動産経済通信)