三井デザインテックは、新しい働き方を実現する空間デザインを施した新本社(東京・中央区)を完成させた。新本社は、事業分野や社内外の垣根を越えた協創を生み出すクロスオーバーデザインなど、同社が提唱し研究と実践を重ねてきた要素をふんだんに盛り込んだ最先端オフィス。
延床面積は約1512坪。1階は社外からの来客が多い空間で、クロスオーバーデザインサロン(CORDs)と位置付けている。玄関すぐには、同社と㈱ラナユナイテッド(東京・港区)が共同開発したデジタル技術と左官職人の技術を組み合わせたデジタルアートを設置。季節や来場人数に伴い常に変化し、クロスオーバーを体現する。ABWでオフィスとホテル、住宅とオフィスなどが分野横断的に組み合わさることで生じる居心地の良さに加え、新旧の技術や素材・建材が織りなす高いデザイン性などを多数盛り込んだ。
2階は主に執務空間で、ファッションブランドとコラボしたウェブ会議空間、部署やプロジェクトなどで集中運用する空間など多用な場所を設けた。3階はスタジオ、キッチン、サンルーム、屋外空間などを設ける。報道関係者向けの内覧会で三井デザインテックの見月伸一・執行役員クリエイティブデザインセンター長は「(ABW環境が定着する)ポストニューノーマルのオフィスに求められるものは、社員が行きたくなるオフィスであることと、協創からイノベーションなどが生じる空間であることが最も重要だ」と述べた。最新のオフィスや住宅リフォーム提案を見せる場、生産性向上などに関する継続的な調査研究と実践、情報発信の場も目指している。(日刊不動産経済通信)