ザイマックス不動産総合研究所によると、今年4~6月期の東京23区のオフィス空室率は前期比0・66㌽増の2・96%となり、解約予告済みや募集中面積を加えた「募集面積率」は5・75%で前期から0・44㌽増えた。空室は「増加」が25・8万坪、「減少」が17・9万坪で、5四半期連続で「増加」が上回った。
エリア別に空室率をみると、都心5区が0・69㌽増の2・93%、周辺18区が0・58㌽増の3・04%。これまで周辺18区の方が空室率の上昇が先行していたが、都心5区との差が縮まり、同研究所は「エリアによる空室率の違いがみえなくなってきている」としている。規模別では大規模ビル(延床面積5000坪以上)が0・89㌽増の2・67%、中小規模ビル(延床面積300坪以上5000坪未満)が0・42㌽増の3・29%だった。
23区全体の募集面積率の推移をみると、増加のピッチがやや鈍化した。空室率の増加幅より小さく、同研究所は「解約される物件が減ったことや、テナントの解約予告から退去するまでの間に後継テナントが決まるケースがやや増えてきている」と分析している。
期初の空室在庫と期間中に発生した空室を足した「空室在庫」が期間中でどの程度減少したかを示す「空室消化率」は34・5%で、前期からは3・6㌽増加した。新規賃料の水準を示す「新規成約賃料インデックス」は89で、前期比1㌽減、前年同期比で15㌽減だった。規模別では大規模ビルは89で前期から横ばい、中小規模ビルは90で前期から3㌽下落した。新規契約のうち1日以上のフリーレントを付与した割合は55・5%、期間の平均値は2・3カ月となっている。(日刊不動産系通信)