＜AREA MARKET＞東京・北区・分譲マンション供給増加、坪単価300万円超ー不動産経済研究所調べ

　東京・北区では、この１年(2010年６月～2021年５月)に863戸(前年同期254％)が発売された。沿線別の供給は、JR埼京線エリア153戸(同356％)、JR京浜東北線エリア〔JR山手線･宇都宮線エリア含む〕559戸(同358％)、東京メトロ南北線エリア〔都電荒川線エリア含む〕151戸（同156％）、前期44戸供給の都営三田線エリアは今期供給なし。埼京線では、大和地所レジデンス｢ヴェレーナグラン赤羽北フロント｣(全89戸)の発売により増加した。京浜東北線では、物件数の増加(12→34件)に加え、野村不動産、他３社｢ASUKAYAMA RESIDENCE＜王子＞｣(１期～１期５次96戸)および西日本鉄道、他３社｢ガーデンクロス東京王子｣(１期１次～２期２次195戸)の発売により増加。南北線での増加は、フージャースコーポレーション｢デュオヴェール赤羽East｣(全49戸)が発売された影響。企業別では、三菱地所レジデンス (90戸)、大和地所レジデンス(89戸)、関電不動産開発(70戸)が供給上位３社。

　区全体の平均坪単価は328.8万円(前年同期比82.8万円上昇)、平均専有面積は59.79㎡(同1.36㎡減)、総額は5843万円(前年同期128％)。沿線別の坪単価は、埼京線337.7万円(前年同期比124.6万円上昇)、京浜東北線336.4万円（同91.5万円上昇）、南北線291.4万円（同52.5万円上昇）。総額は、埼京線5677万円(前年同期134％)、京浜東北線6227万円（同138％）、南北線4591万円（同91％）。面積は、埼京線58.04㎡(前年同期比7.87㎡減)、京浜東北線61.73㎡（同0.94㎡減）、南北線54.42㎡（同15.12㎡減）｡埼京線での価格の上昇と面積の減少は、タカラレーベン｢ネベル赤羽｣(全64戸、坪401.8万円、総額4790万円、面積39.69㎡)の影響。京浜東北線での坪単価の上昇は、前述の、野村不動産、他３社｢＜王子＞｣(96戸、坪378.3万円)など、今期供給の約５割が坪350万円を上回る物件であったため。南北線での坪単価の上昇と面積の減少は、伊藤忠都市開発｢クレヴィア赤羽ステーションテラス｣(１期４次～３期１次40戸、坪348.5万円、面積45.335㎡)および前述の、フージャースコーポレーション｢赤羽｣(坪302.5万円、面積37.74㎡)が坪300万円を上回り、面積50㎡を下回る物件であったことによる。
　住戸タイプ別の比率は、１LDK(シェア22→24％)、３LDK(同56→61％)はアップ、２LDK(同13→12％)、４LDK(同8→3％)はダウン。価格帯別では、3000万円未満(同2→4％)、5000･6000万円台(同21→46％)、7000万円超(同4→22％)はアップ、3000万円台(同30→17％)、4000万円台(同43→11％)はダウン。
　北区全体では2908戸が計画されており、３期ぶりに増加した供給は、来期は今期並みの水準を維持する可能性が高い。３期ぶりに上昇し300万円を上回った坪単価も注目。　
＊JV物件は単純社数割にて集計

今後の計画マンション（一部、全物件データは不動産経済Focus＆Research1333号に掲載）

2021/7/21　不動産経済Focus＆Research