森ビルは、東京23区を対象とした大規模オフィスビル市場動向調査を発表した。20年末の空室率は4・0%となり、前年末(1・8%)から2・2㌽上昇した。4%を超えたのは14年以来。ただ、七つの主要ビジネスエリアに限ると1・5㌽上昇の3・3%、さらに同エリアで10万㎡以上の大型物件では0・8㌽上昇の2・2%と空室率の変化には違いがみられた。
今後について同社は、「今後5年間の年平均供給量は過去平均を下回る見込み」としている。25年までの5年間でみると、年平均は94万㎡で、1986年以降の平均は105万㎡となっている。23年が145万㎡、25年が120万㎡と供給量が増える年はあるものの、21年が61万㎡、22年が49万㎡と直近2年は供給が低水準となるため。
供給の傾向としては1物件当たりの供給量が引き続き増加。特に20年はその傾向が強く、1物件当たりの平均供給量は8・9万㎡と86年の調査開始以来、過去最大となった。「事務所延床面積10万㎡以上」の物件割合は、18年が69%と過去最大だったが、20年は75%に上った。23年は82%とさらに上回る見通しだ。
エリア別の供給量をみると、都心3区の割合が今後5年間で毎年7割を超える。供給エリアが多い主要ビジネスエリアは「虎ノ門エリア」(全体の19%)、「日本橋・八重洲・京橋エリア」(17%)、「田町・浜松町エリア」(14%)、「品川エリア」(8%)と続く。
今年供給の大型物件は「TOKYO TORCH 常盤橋タワー」(延床面積14・6万㎡)、「日比谷フォートタワー」(10・5万㎡)、「世界貿易センタービルディング南館」(9・5万㎡)などがある。(日刊不動産経済通信)
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