1Qのオフィス空室率、三大都市で上昇―CBRE、在宅勤務やコスト減で空室増

 CBREは東京や大阪など全国主要都市における第1四半期(1Q)のオフィス需給動向をまとめた。A・B両グレード(等級)の空室率は東京と大阪が前期比0・4㌽増の1・9%、名古屋が0・4㌽増の2・3%と三大都市でいずれも上昇。東京では企業らが現行の賃貸借面積を減らす動きが強まり、特に中規模のビルで賃料下落の傾向が目立った。三大都市以外の地方10都市では横浜市やさいたま市などを除く6つの都市で空室率が前期の数字を上回った。地方では、全国展開する大企業が減床や拠点集約を進めていることなどが需給緩和の要因になったと同社は分析している。
 三大都市では在宅勤務の拡大に伴う減床や、固定費削減を狙いとする拠点集約・統合などの解約が増加。東京と大阪は4期連続、名古屋は5期連続で空室率が上昇した。東京では建設中のオフィスビルのプレリーシングが停滞、複数のビルが多くの空室を残したまま竣工した。都心5区におけるA・B等級ビルの空室率は前年同期との比較では1・5㌽増の1・9%。エリア別の空室率も六本木・赤坂が同3・2㌽増の3・7%、渋谷・恵比寿が同2・4㌽増の3・1%などと大幅に上がっているが、前期との比較ではそれぞれ0・1㌽減、0・2㌽減と上昇に歯止めがかかった。
 大阪の空室率も前期比0・4㌽増、前年同期比1・2㌽増の1・9%と緩和基調。エリア別では淀屋橋の空室率が3%を超えた。市中心部では昨年後半に減床や拠点集約を目的とする企業らの解約予告が増え、後継テナントが決まらずに空室率が上がった。ただ同時に、昨年2Q以降に減っていたビル内の増床や新規出店といった動きも増え始めているという。(日刊不動産経済通信)

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