西新宿などでIT・不動産ら拡張移転増―三幸エステートら、都心オフィスの解約事例を分析
東京・西新宿

 三幸エステートとニッセイ基礎研究所は東京都心における昨年1年間の賃貸借オフィスの解約事例を集計し、分析結果を公表した。企業が床を借り増す拡張移転が多い地域は「西新宿」(移転指数85%)や「渋谷・桜丘、恵比寿」(67%)などで、主にIT関連や不動産、サービス業が集まる場所で賃貸借面積を広げる移転が目立った。一方、縮小移転は「京橋・銀座・日本橋室町」(52%)、「新橋・虎ノ門」(同)などが上位で、固定費削減のための移転が多いという。両者は縮小移転の理由を「テレワーク導入に伴う拠点再編よりも、業績悪化の影響が大きい」と分析している。
 三幸とニッセイが共同で東京都心のオフィスの解約状況や移転理由などを調べ、独自基準で「オフィス移転指数」を割り出した。指数は最大100%で、基準値の50%を超えると拡張、50%を下回ると縮小の需要が強いと考えられるという。
 両社によると、東京都心のオフィス市場が活況だった19年は指数が70~80%と高位だった。都心では18年以降に大型オフィスの大量供給が続いたが、企業らの拡張需要が強く、全規模の空室率も19年1月に0・99%と初めて1%を下回った。だがコロナ禍で昨春以降に拡張移転の件数が減り、第4四半期には指数が51%に下降。拡張と縮小の移転がほぼ同数になった。空室率も昨年3月の0・79%で底を打ち、今年2月には2・71%に上がった。
 ニッセイ基礎研は都心のオフィス市況を「調整局面だ」としつつも「企業の人手不足が続いており、リーマンショック当時ほど雇用環境は悪くない。縮小移転が特に増えているわけではない」と指摘している。(日刊不動産経済通信)

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