国土交通省は22日、3D都市空間情報プラットフォーム「Project “PLATEAU”(プロジェクト・プラトー)」のティザーサイトを開設した。サイバー空間上にさまざまな情報を加えた都市空間を再現し、都市計画立案の高度化や、都市活動のシミュレーションなどを行うことが可能となる。まず東京23区のモデルを公開し、21年4月には全国56都市の3D都市データのダウンロードを可能にする方針。
建物、道路などの外形の2次元情報に、航空測量で建物の高さなど3次元情報を追加。3次元化したものに、都市計画基礎調査情報(建物現況、土地利用現況)から属性情報を付与した。3D都市モデルには、さまざまなデータも加えることができる。洪水浸水想定区域図をはじめ、災害ハザード情報を3D化して重ねれば、避難計画などに活用できる。人流データと合わせれば、リアルタイムで混雑状況の可視化が実証でき、ウィズコロナ時代のニューノーマルに対応できる。国交省は地方自治体や民間企業らと組んで、現在40程度の活用事例プロジェクトを進めており、20年度中に何らかの成果を公表したい考え。
国交省は、民間の新たな事業創造や企業価値の向上にも活用できると考える。例えば周辺景観のシミュレーションなど、不動産見学に活用できるポテンシャルがあると見込む。「プラトー」は、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズらの著書「千のプラトー」(プラトー=はじめでも終わりでもない精神の結節点)から名付けた。今後は、地方自治体が3D都市モデルを作成し、利活用できるようマニュアルやガイドラインを整備する。多様なデータを重ねる実証も続け、21年4月のオープンデータ化を目指す。日刊不動産経済通信