ケネディクスは賃貸戸建て住宅を投資対象とするファンドを組成した。取り組みの第一歩として飯田グループホールディングス(飯田GHD)、オープンハウス、三栄建築設計と個別に基本協定書を交わし、オープンと三栄から合計91件の戸建て住宅を取得した。飯田GHDからも近く43件の住宅を買い入れる予定という。ケネディクスは東京や大阪など都市部のマンションに重点投資してきたが、1都3県の賃貸戸建ても投資対象に含め、新たな需要を掘り起こす。
ケネディクスによると、1都3県には家族で住める床面積70㎡超の賃貸住宅が全体の12%ほどしかなく、主に単身者がターゲットの市場になっている。コロナ禍で場所にとらわれない働き方が広がり、部屋数や間取りに余裕のある住宅の人気が高まるなか、新たなファンドを作ることで一戸建てを借りて住むというオプションを普及させたい考えだ。ファンドに組み入れる賃貸住宅のブランド名は「コレット」に統一。再生可能エネルギー由来の電力やITを駆使したスマートホーム機能を備える建物を取得する。住宅の管理は東急住宅リースに委託する。
提携先の1社である三栄建築設計も新築の木造アパートや戸建て住宅に投資する私募ファンドを近く立ち上げる。オープンハウスもマンションなどを投資対象とする不動産ファンド事業を準備している。
賃貸戸建て住宅は管理に手間がかかる上、1物件当たりの投資規模が小さく、日本では事業化が難しいと考えられてきた。一方、米国では大手機関投資家らが賃貸戸建てに特化したリートや私募ファンドなどに投資する事例が増えているという。(日刊不動産経済通信)