Jリート、投資口の小口化が進む―全銘柄50万円未満、約3割が10万未満に

 Jリート投資口の小口化が進んでいる。個人投資家が投資しやすい環境を整備する観点から、東京証券取引所が上場企業の望ましい投資単位を50万円未満としたことを受けたもの。2025年に入り、2月までに7銘柄のJリートが投資口分割を実施。2月末時点の投資口価格の最大値は34万5千円で、Jリート全銘柄が初めて50万円未満となった。同時点で全銘柄(57銘柄)の8割強となる49銘柄は 20万円未満。うち、約3割の16銘柄は10万円未満となった。Jリートの個人投資家による直接保有比率は、近年、増加傾向にあるものの、8%強(2024年8月調査)と、 国内株式市場の半分程度にとどまる。最低投資金額の引き下げにより、個人投資家のJリート投資拡大が期待される。

■ 過去の投資口価格、振り返り(ARESマンスリーレポートより)

・Jリート市場の草創期に当たる2000年代前半、IPO時の公開価格は50万円前後に設 定されることが多く、その後の値上がりで2007年のピーク時には投資口価格の最大値は約200万円、中央値でも約90 万円に達した。
・2010年代に入ると、合併時に端数投資主が生じないようにする目的で、また2014年に開始したNISA の投資枠で購入しやすくするために、投資口の分割が行われるようになった。
・2012年に公開価格を約6万円に設定して上場したGLP投資法人を皮切りに、初めから10万円前後に小口化された投資口価格で上場するリートが増加した。
・ここ10年では、Jリートの半数以上が20万円未満で投資できるようになっていたが、50万円を超える高価格帯の銘柄も1 割程度、残っていた。
・新NISAが始まった2024年以降、これらの銘柄が投資口を分割し、遂に全銘柄50万円未満となった。

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