テレワークで車通勤減少、CO2削減に 首都圏白書、脱炭素とまちづくりに焦点

(提供 日刊不動産経済通信)政府が10日に閣議決定した22年版「首都圏白書」によると、21年度のテレワーカー率は首都圏全体で38・9%となり、20年度の17・6%から倍以上に伸びた。テレワークで首都圏の車通勤が減少したことによるCO2削減量は、1日あたり約2337tと推計された。

 22年版首都圏白書は、「首都圏における脱炭素社会の実現に向けた取組」をテーマにした。テレワーク拡大を生かした環境負荷の低減に着目。従業者1人1日あたり最大のCO2削減量は、車通勤距離が長い周辺4県(茨城、栃木、群馬、山梨)で大きかった。今後のテレワーク実施意向を踏まえると、更にCO2が削減できる可能性がある。

 東京圏、特に東京都区部では、建物の年間熱負荷密度が高い。熱源設備を集約し複数建物間でエネルギーネットワークを構築して面的利用することが、脱炭素化では効果的となる。白書では、エネルギーの面的利用の高度化の事例を紹介。大丸有地区と日本橋室町地区を取り上げ、運用実績を分析した。また、「都市のコンパクト化による脱炭素まちづくり」にもスポットを当てた。首都圏のうち、周辺4県は公共交通への転換や建物集約などが進み、脱炭素の効果が期待できる。事例として、栃木県の小山駅前の再開発事業によるウォーカブルなまちづくりや、宇都宮駅東口地区の低炭素まちづくり計画などを取り上げ紹介している。

 首都圏整備の状況もまとめた。スマートシティの推進事例として、まちづくりに3D都市モデルを活用した東京・港区の竹芝地区を取り上げた。竹芝地区はスマートシティの先行モデルプロジェクトに選定されている。

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