コロナの影響長期化も投資姿勢には変化なし~日本不動産研究所の調査結果から~
閑散とした大阪・心斎橋筋商店街


日本不動産研究所は、新型コロナの流行と投資市場への影響について、不動産投資家の認識を調査したアンケート結果をまとめた。2020年10月1日時点。新型コロナ禍が不動産投資市場に及ぼした影響と今後の動向について、「現在、ネガティブな影響を受けており、この状態が当面続く」(1年程度)とする回答が最も多く37.5%、影響が2~3年程度と合わせると、回答者の65%が影響の長期化を認識している。ただ、投資家自身の投資スタンスについては「投資姿勢に特段の変化はない」とする回答が77.8%で最も多かった。同調査は第43回不動産投資家調査の特別アンケートとして実施され、アセット・マネージャー、アレンジャー、デベロッパー、生損保、レンダー、投資銀行、年金基金など191社にアンケートし、137社から回答を得た。


 新型コロナがいつ頃収束するかを聞いたところ、「秋・冬までには」が33.1%、「2、3年は必要」が33.8%。足元でネガティブな影響を受けている投資家が7割を超え、そのほか2021年以降影響が現れるとする回答も6.6%あった。新型コロナの国内での発生から現在に至るまで、各アセットにどのような影響があったかを聞いたところ、「ネガティブな影響がかなりあった」のはビジネスホテル(96.3%)、シティホテル(94.0%)、都心型商業施設(70.1%)、「ネガティブな影響があった」のはオフィス(63.2%)、郊外型商業施設(54.2%)だった。一方、「影響があまりなかった」のはレジデンシャル(66.2%)、ヘルスケア(57.1%)、「まったくなかった」のは物流施設(66.7%)。
 コロナにより、不動産投資市場にとってインパクトが大きかった事象は、「世界的な渡航制限」が最も多く、「テレワークの普及」が続いた。アンケートではテレワークの普及に伴う構造転換の影響についても聞いており、「オフィスのスペックや機能等に対するニーズが多様化し精緻化する」が最も多く、「オフィスの都心立地志向に構造変化が起きる」が続いた。コロナ禍において不動産投資スタンスは77.8%が変化なしと答えたが、その理由は「経済活動の停滞は一時的に過ぎず、景気の変動は限定的」がトップ、「エクイティ投資家の投資姿勢に変化がない」、「日銀の緩和的な金融政策の変化がなさそう」が続いた。
 最後に、新型コロナが収束したと仮定した場合の各アセットの見通しを聞いたところ、「いち早く反転回復する」のは物流施設(91.7%)、レジデンシャル(65.0%)、底地(63.9%)、「半年程度」が郊外型商業施設(40.0%)、オフィス(39.8%)。一方、「長期間を要する」のはビジネスホテル(41.7%)、シティホテル(40.0%)だった。 

 2021/1/5&15号 不動産経済ファンドレビュー

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