不動産経済研究所は8日、22年上期(1~6月)と21年1年間の「首都圏投資用マンション市場動向」を発表した。今年上期に供給された投資用マンションは86物件・3768戸で、前年同期比で物件数は13・2%の増加、戸数は3・2%増加した。1戸当たりの平均価格は3・1%上昇の3221万円、㎡単価は2・1%上昇の120・7万円といずれもアップ。
首都圏の22年上期の供給エリア数は全29エリアで、前年同期から増減はなかった。供給戸数のトップは大田区の449戸で、以下は江東区439戸、豊島区311戸、横浜市南区296戸、墨田区239戸と続いている。上位5エリアの合計は1734戸で、シェアは前年同期比5・2㌽アップの46・0%。売主・事業主別では、シノケンハーモニー794戸、FJネクスト420戸、青山メインランド349戸、NST347戸、インヴァランス265戸と続いており、上位5社のシェアは57・7%(前年同期56・5%)。
21年に発売された投資用マンションは130物件・6028戸で、前年に比べ物件数は7・1%減、戸数は3・7%減となり、いずれも減少した。戸当たり平均価格は3132万円で前年比1・4%の下落、㎡単価は116・9万円で2・7%下落している。平均価格は9年ぶり、単価は4年ぶりの下落。供給エリア数は全32エリアで、前年比3エリアの減少。江東区が698戸で2年連続のトップとなり、以下は墨田区430戸、横浜市南区380戸、川崎市中原区376戸、品川区297戸の順。上位5エリアの合計は2181戸で、シェアは1・0㌽ダウンの36・2%。
売主・事業主別の供給トップは1067戸を供給したFJネクストで、3年連続の首位。以下、青山メインランド690戸、日本ワークス546戸、TFDコーポレーション487戸、NST467戸と続き、上位5社のシェアは前年比1・5㌽アップの54・0%だった。
首都圏の投資用マンション市場は、超低金利などを背景に90年代後半から00年代半ばにかけて供給戸数を伸ばし、07年には9210戸と初めて9000戸を突破。しかし、地価高騰やリーマンショックの影響などにより08年に7006戸と急減すると、10年には4583戸にまで落ち込んだ。11年以降は5000戸台から7000戸台の供給で推移しており、直近3年間は6000戸前後の供給が続いている。 今後の首都圏の投資用マンション市場は、依然として都心エリアの用地取得競争が激しい状態が続いていることから、城東や城北エリア、横浜市、川崎市など神奈川県のシェアが高いまま推移する見込み。
調査結果の詳細は、不動産経済研究所が今月下旬刊行予定の資料集『投資用マンション市場動向2022年版』に記載する。